堺市西区へ引っ越してきた方へ ── お薬、足りていますか?

引っ越しの荷ほどきに追われ、役所の届け出やライフラインの手続きに忙殺される日々。そんな中で「そういえば血圧の薬、あと何日分だっけ?」とふと気づく方は少なくありません。

高血圧や糖尿病、コレステロールが高いと言われて薬を飲んでいる方にとって、引っ越し後に最も困るのは「どこの病院に行けばいいかわからない」という問題です。前の先生に紹介状を頼む暇がなかった、そもそも引っ越し先の土地勘がない──こうした事情から、気がつけば薬が切れて数週間……というケースは実際によくあります。

当院は南海本線「石津川」駅から徒歩約1分、お薬手帳をお持ちいただければ、紹介状がなくても当日から治療を再開できる場合がほとんどです。まずはお電話(072-244-1594)でお気軽にお問い合わせください。


「症状がない=安心」ではありません ── 生活習慣病を放置するとどうなるか

健康診断で「血圧が高め」「血糖値に注意」と書かれていても、体調に変わりがなければ深刻に受け止めにくいものです。生活習慣病が”サイレントキラー”と呼ばれるのは、まさにこの自覚症状の乏しさにあります。

たとえば高血圧を何年も放置した場合、血管の壁は少しずつダメージを受け続けます。このダメージが蓄積した結果として起こるのが動脈硬化であり、その先には脳出血や心筋梗塞といった命に関わる病気が待っています。糖尿病であれば、目・腎臓・神経への合併症が静かに進行していきます。

厄介なのは、これらの変化が数年~十数年という長い時間をかけて進むことです。薬を飲まなくなっても翌日に倒れるわけではないため、「やっぱり大丈夫だった」と錯覚してしまいます。しかし実際には、治療を中断した期間にも血管や臓器へのダメージは着実に蓄積しています。

引っ越しという環境の変化は、通院の中断が起こりやすいタイミングです。「落ち着いたら行こう」ではなく、「引っ越したらすぐ行**くらいの意識が、将来の健康を守ることにつながります。


知っておきたい生活習慣病の種類と特徴

ここでは、当院で日常的に診療している代表的な生活習慣病について簡単にご紹介します。

高血圧症 ── 日本人に最も多い生活習慣病

血圧が慢性的に高い状態が続く病気です。診察室での測定で上が140以上、または下が90以上であれば高血圧に該当します。国内の患者数は約4,300万人ともいわれ、生活習慣病のなかでも特に有病率が高い疾患です。

塩分の摂りすぎ、肥満、運動不足、喫煙、過度の飲酒、ストレスなどが血圧を上げる要因になります。治療は生活習慣の改善が土台となり、それだけではコントロールが難しい場合に降圧薬を使います。

当院では血圧脈波検査(いわゆる血管年齢検査)で動脈の硬さを客観的に評価し、治療方針の判断材料としています。

糖尿病 ── 合併症の予防が治療の目的

血液中のブドウ糖が慢性的に高い状態です。膵臓から出るインスリンの量が減ったり、インスリンが効きにくくなることで発症します。

怖いのは合併症です。細い血管が傷つくことで目(網膜症)・腎臓(腎症)・末梢神経(神経障害)に障害が出るほか、太い血管の動脈硬化も促進され、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが跳ね上がります。

HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という指標で過去1~2か月の血糖の平均的な状態を把握でき、治療効果の判定に用います。

脂質異常症 ── “悪玉”と”善玉”のバランスがカギ

悪玉コレステロール(LDL)や中性脂肪が高すぎる、あるいは善玉コレステロール(HDL)が低すぎる状態です。血管の内側に脂質がたまってプラーク(こぶ)を形成し、これが破れると血栓ができて血管を詰まらせます。

健康診断の「脂質」の欄で引っかかったことがある方は多いと思いますが、痛くもかゆくもないため放置率が高い疾患でもあります。食事・運動での改善が基本ですが、リスクが高い場合はスタチンなどの薬を使います。

高尿酸血症・痛風 ── 足の痛みだけが問題ではない

尿酸値が7.0mg/dLを超える状態です。関節に尿酸の結晶がたまると激烈な痛みを伴う痛風発作を起こします。

痛風の痛みに注目が集まりがちですが、実は腎機能への影響や尿路結石、さらには心臓や血管の病気との関連も近年注目されています。痛風発作がなくても、尿酸値が高い状態が続いているなら治療の対象になります。

メタボリックシンドローム ── リスクの掛け算

内臓脂肪型の肥満をベースに、血糖・血圧・脂質のうち複数に異常がある状態です。個々の数値はそこまで悪くなくても、複数の異常が重なることで動脈硬化のリスクが加速度的に高まるのが特徴です。

特定健診(メタボ健診)で「メタボ該当」や「予備群」と判定された方は、ぜひ一度ご相談ください。


転院をスムーズに進めるための3つの準備

準備1:お薬手帳を手元に用意する

引っ越しの荷物に紛れてしまいがちですが、お薬手帳は引っ越し当日もすぐ取り出せる場所に置いておきましょう。現在飲んでいる薬の名前・用量がわかれば、新しいクリニックでも同じ処方をスムーズに引き継げます。お薬手帳のアプリを使っている方は、スマートフォンの画面を見せていただくだけでも大丈夫です。

準備2:直近の検査データがあれば持参する

血液検査の結果や心電図の記録があると、現在の体の状態を把握しやすくなります。前の医療機関でコピーをもらっておくか、健康診断の結果表をお持ちください。検査データがなくても診療は可能ですが、場合によっては改めて検査を行うことがあります。

準備3:紹介状はあれば理想的、なくても心配いりません

紹介状(診療情報提供書)には、病名・治療経過・処方内容・検査結果などがまとまっています。時間に余裕があれば、引っ越し前に前の先生に「紹介状をお願いしたい」と伝えておくのがベストです。

ただし、紹介状がないからといって受診をためらう必要はまったくありません。 当院ではお薬手帳の情報をもとにこれまでの治療を把握し、必要な検査を行いながら診療を進めていきます。「前のクリニックに言いそびれてしまった」「急に引っ越しが決まった」という方もお気軽にいらしてください。


循環器の視点から診る生活習慣病 ── くげクリニックの特長

“見える化”する検査体制

生活習慣病の治療で大切なのは、数値を下げることそのものではなく、その先にある心筋梗塞や脳卒中などを防ぐことです。

当院の院長・久家 宣也は日本循環器学会専門医であり、和泉市立病院やベルランド総合病院の循環器内科で、狭心症・心筋梗塞をはじめとする心臓病や血管疾患の治療に長年携わってきました。その経験から、生活習慣病の診療においても「血管や心臓に今どれくらい影響が出ているか」を具体的に評価することを重視しています。

たとえば、次のような検査を院内で実施できます。

頸動脈エコー検査 ── 首の血管の壁の厚さやプラーク(脂質のかたまり)の有無を超音波で確認します。動脈硬化がどの程度進んでいるかを直接的に把握できる検査です。

心エコー検査 ── 心臓の大きさ、壁の動き、弁の状態などをリアルタイムで観察します。高血圧が長く続いた方では心臓の壁が厚くなっていることがあり、治療の緊急度を判断する材料になります。

血圧脈波検査 ── 両腕・両足の血圧を同時に測定し、血管の硬さ(動脈のしなやかさ)や下肢の血流状態を評価します。いわゆる「血管年齢」がわかる検査です。

ホルター心電図(24時間心電図) ── 小型の機器を装着して日常生活中の心電図を記録します。動悸や不整脈が気になる方に有用です。

こうした検査は大きな病院に行かなければ受けられないと思われがちですが、当院では予約のうえ院内で実施可能です。結果をもとに、必要に応じてお薬の調整や生活指導を行います。

内科全般に幅広く対応

生活習慣病だけでなく、風邪や胃腸炎といった急な体調不良、インフルエンザなどの感染症にも対応しています。「かかりつけ医」として、生活習慣病の定期通院のついでにちょっとした不調も相談できる──そんなクリニックを目指しています。

さらに詳しい検査や専門的な治療が必要な場合は、連携する総合病院へ速やかにご紹介いたします。

仕事帰りにも通いやすい診療体制

生活習慣病は月に1回程度の通院を長く続けるものですから、「通いやすさ」は治療の継続に直結します。

当院は平日の夜は19時まで診療(月・火・水・金)を行っており、お仕事帰りにも立ち寄りやすい体制です。石津川駅からは徒歩1分ほどですので、電車通勤の方にも便利な立地です。お車の方は駐車場を3台ご用意しています。


新生活は体の変化にも目を向けるチャンス

引っ越しをきっかけに、生活パターンは思いのほか変わります。

通勤経路が変わり歩く距離が減った。近所のお店が変わり外食や弁当の割合が増えた。引っ越し疲れやストレスでお酒の量が増えた。慣れない環境で睡眠の質が下がった──どれもよくある話ですが、こうした小さな変化の積み重ねが、血圧や血糖値、コレステロール値に影響を与えることがあります。

逆に言えば、新しい土地での生活を「健康を立て直すきっかけ」にすることもできます。 近所を散歩して新しいウォーキングコースを見つける、地元のスーパーで旬の食材を手に取ってみる。小さな工夫でも、続ければ数値に変化が現れることは珍しくありません。

当院では血圧や体重の管理方法、食事のとり方など、日々の生活に取り入れやすい具体的なアドバイスもお伝えしています。数値の管理だけでなく、新しい土地での暮らしが健やかなものになるよう一緒に考えていきます。


おわりに ── 通院の「間」を空けないために

生活習慣病の治療は、たとえるならマラソンのようなものです。短距離走のように一気に片付くものではなく、毎日コツコツと走り続けることで初めてゴール(合併症の予防)にたどり着けます。

引っ越しはそのマラソンの途中で給水所が変わるようなもの。走ること自体をやめてしまっては、それまでの努力がもったいないですし、再スタートの負担も大きくなります。

 

「前のクリニックと同じ薬を出してほしい」「紹介状はないけれど診てもらえるか確認したい」──そんなお電話だけでも構いません。堺市西区・浜寺エリアや南海本線沿線にお越しになった方のお力になれれば幸いです。