高血圧とは
高血圧はその名前の通り、血圧が高い状態をいいます。
健診や診察で医療機関を受診すると血圧を測ることがありますが、血圧の上（収縮期血圧）が120未満、下（拡張期血圧）が80未満であれば正常と診断されます。高血圧の診断基準は上が140以上、下が90以上の場合とされていますが、上が120～139、下が80～89の場合には注意が必要な状態です。
また、診察室など緊張した状態で測定すると血圧が高くなることが分かっており、自宅で測定する場合には、正常値は上が115未満、下が75未満の範囲になります。
高血圧の原因
高血圧の原因は塩分の摂り過ぎが一番に挙げられます。日頃の食事で塩分量が多い食事をしている場合には注意が必要です。
また、肥満や飲酒、運動不足、喫煙、睡眠不足、ストレスなども血圧を高くする要因になります。
高血圧の症状
高血圧の初期には自覚症状が無いことが多く、気づかないうちに進行している場合が多いことが特徴です。
高血圧が進行すると、
- 動悸
- 息切れ
- 手足のむくみ
などが自覚症状として現れます。
また、血圧が高くなると、
- 頭痛
- めまい
- 肩こり
などの症状が一時的に現れることもあります。
高血圧の合併症
高血圧で怖いのは、症状そのものよりも合併症です。血圧が高いことで、血管に負荷がかかって血管の壁が厚くなって動脈硬化を起こし、脳梗塞や脳出血、高血圧網膜症などの合併症を起こすことがあります。これらの合併症は、意識障害や言語障害、視力低下を起こしたり、命に関わることもあります。
高血圧の治療
高血圧の治療では、
（１）食事の見直し （２）運動の見直し （３）降圧剤の服用
の3つがあります。
（１）食事の見直し
高血圧を引き起こす原因で代表的なものに「塩分」があげられます。塩気の強いものやお醤油やソースなど塩分の多い調味料をよく使う場合には、食事に含まれる塩分が多くなる傾向があります。他にも、
- 漬物をよく食べる
- 麺類のスープを飲み干す
- 味付けは濃いめが好き
- コンビニ弁当やスーパーの総菜などをよく食べる
- 外食が多い
- ハムやソーセージなど加工食品をよく食べる
と言った場合には、塩分を摂り過ぎになってしまうので注意が必要です。
当院では、患者さんの食生活や好みをお伺いして一人ひとりに合わせた食事の指導を行っています。
（２）運動の見直し
運動をすると、一時的に血圧は上がりますが、継続することで筋肉に酸素や栄養をたくさん運ぶために血管が広がったり、交感神経の緊張を緩和して血圧が下がったりと血圧をコントロールする効果が期待できます。
運動不足になると、筋肉に運ぶ栄養も少なく、運動は1回で頑張りすぎると継続が難しくなるので、適度な運動を続けていくことを目標にすることが大切です。
運動療法の目標としては、1週間に3回以上30分～1時間程度の運動が目安です。ウォーキングなら1時間、ジョギングなら30分、水泳なら30分を目安にしていきましょう。また、運動する際には、水分補給も大切ですがミネラルウォーターやお茶を飲むようにしましょう。スポーツドリンクなど糖分の多い飲料ばかり飲んでいると、血糖値が高くなったりカロリーが増えて糖尿病や肥満の原因にもなります。
（３）降圧剤の服用
降圧剤は血圧を下げるお薬で、一時的に血圧を下げるタイプや継続的に服用することで血圧をコントロールするタイプの薬があります。降圧剤を服用すれば、食事や運動はしなくてもよいのでは？とよく質問されることがありますが、降圧剤には副作用があることや、服用をやめると血圧が元通りになるため、薬だけで治療していくことはほとんどありません。
お薬の種類にもよりますが、降圧剤の副作用として、めまいや便秘、動悸、頭痛、喉の渇きなどがあります。高血圧の合併症リスクが高い場合に、食事や運動療法の補助として降圧剤を使うことを考慮しましょう。
高血圧で気を付けたい事
高血圧の初期には自覚症状が無いことがほとんどのため、日頃から血圧を測定することが大切です。少し動くと息切れを起こす、手足のむくみが気になる、最近なんだか疲れやすいなど気になることがあれば、血圧を測定するようにしましょう。
血圧を測定して、上（収縮期血圧）が115以上または下（拡張期血圧）が75以上の場合には、高血圧の疑いがあるため、医療機関を受診することをお勧めします。
