堺市高齢者帯状疱疹ワクチン定期接種(公費接種)
令和7年4月1日より、堺市では高齢者の帯状疱疹ワクチンが定期接種となりました。対象の方は公費助成により、通常よりも大幅に安い費用で接種を受けることができます。
詳細は下記よりご覧ください。
堺市ホームページ(帯状疱疹ワクチン予防接種について)はこちら

接種期間
令和7年4月1日(火)~令和8年3月31日(火)
対象者
堺市に住民登録がある方で、以下のいずれかに該当する方が対象です。
(1)年齢による対象者
令和7年度中に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳以上になる方
| 年齢 | 生年月日 |
|---|---|
| 65歳 | 昭和35年4月2日~昭和36年4月1日生まれ |
| 70歳 | 昭和30年4月2日~昭和31年4月1日生まれ |
| 75歳 | 昭和25年4月2日~昭和26年4月1日生まれ |
| 80歳 | 昭和20年4月2日~昭和21年4月1日生まれ |
| 85歳 | 昭和15年4月2日~昭和16年4月1日生まれ |
| 90歳 | 昭和10年4月2日~昭和11年4月1日生まれ |
| 95歳 | 昭和5年4月2日~昭和6年4月1日生まれ |
| 100歳以上 | 大正15年4月1日以前生まれ |
(2)特別な条件による対象者
接種日において60~64歳で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害があり、日常生活を極度に制限される方(身体障害者手帳1級相当)
※70歳から100歳までの5歳刻みの年齢を対象とする制度は、令和7年度から令和11年度までの5年間の経過措置です。令和12年度以降は65歳の方のみが定期接種の対象となりますので、該当する方はこの機会にぜひ接種をご検討ください。
公費接種での費用(シングリックス)
定期接種(公費助成あり)の場合
・1回あたり:11,000円
・2回接種の合計:22,000円
(自費の場合44,000円→定期接種:22,000円)
※生ワクチン(ビケン)は当院では取り扱いがございません
自己負担金免除について
市民税非課税世帯、生活保護受給世帯、中国残留邦人等支援給付世帯に属する方は、自己負担金が免除されます。該当する方は、接種前に必要な証明書類をご準備ください。証明書類の詳細については、堺市保健センターにお問い合わせください。
堺市ホームページ(帯状疱疹ワクチン予防接種について)はこちら
自費接種について
対象者
・50歳以上の方
・帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の方
自費接種の費用(シングリックス)
・1回あたり:22,000円
・2回接種の合計:44,000円
公費助成の対象となる方は、定期接種を利用することで22,000円お安く接種できます。対象年齢の方は、ぜひこの機会をご活用ください。
当院推奨のシングリックスについて
当院では、高い予防効果と長期間の有効性を考慮し、シングリックス(不活化ワクチン)を推奨しています。シングリックスは筋肉内注射で、2回の接種が必要です。1回目と2回目の間隔は2か月以上あける必要があります。
シングリックスの特徴
- (1)高い予防効果
- 50歳以上で97.2%、70歳以上でも97.9%という非常に高い発症予防効果が報告されています。帯状疱疹後神経痛に対しても88.8%の予防効果があります。
- (2)長期間の有効性
- 接種から10年後でも80%以上の予防効果が持続することが確認されています。これは生ワクチンが8年目で31.8%まで低下することと比較して、大きな利点です。
- (3)年齢による効果の違い
- シングリックスは高齢者でも高い効果を維持します。80歳以上の方でも89.1%の発症予防効果があることが報告されており、年齢を重ねても安心して接種いただけます。
副反応について
シングリックス接種後、体内で強い免疫を作るため、以下のような副反応が現れることがあります。
接種部位の反応として、痛み(78%)、赤み(38%)、腫れ(26%)が報告されています。全身の反応としては、筋肉痛(40%)、疲労感(39%)、頭痛(33%)、悪寒(24%)、発熱(18%)、胃腸症状(13%)などがあります。
これらの症状の多くは3~7日以内に軽快します。副反応は体が免疫を作っている証拠であり、ワクチンが正常に働いている証と考えられます。
シングリックスと生ワクチンの比較
| 項目 | シングリックス(推奨) | 生ワクチン |
|---|---|---|
| ワクチンの種類 | 不活化ワクチン | 生ワクチン |
| 接種回数 | 2回(筋肉注射) | 1回(皮下注射) |
| 発症予防効果(50歳以上) | 97.2% | 約51.3% |
| 発症予防効果(70歳以上) | 97.9% | 約35% |
| 神経痛予防効果 | 88.8% | 66.5% |
| 長期予防効果 | 10年後でも80%以上 | 8年目で31.8% |
| 副反応 | 注射部位の痛み・発赤・腫脹、筋肉痛、疲労感、発熱など | 水痘様発疹(1-3%)など |
※表は横スクロールできます。
接種を受ける前にご確認ください
シングリックス接種が適さない方
シングリックスは体内に潜伏している水痘ウイルスを刺激して免疫を強化するワクチンです。そのため、水ぼうそうにかかったことがない方や、小児期に水痘ワクチンを接種していない方は、体内にウイルスが存在しないため、シングリックスを接種しても予防効果が期待できません。
水ぼうそうの既往歴がなく、水痘ワクチンも接種していない方は、帯状疱疹のリスクはありませんが、成人の水ぼうそうは重症化しやすいため、弱毒生水痘ワクチンの接種をお勧めします。ご自身の感染歴が不明な場合は、抗体検査(自費)で確認することも可能です。詳しくは医師にご相談ください。

ご予約について
ワクチンは取り寄せとなりますので、事前予約が必要です。以下の方法でご予約をお願いします。
1.来院してのご予約
2.診療時間内のお電話でのご予約
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 9:00〜12:00 | ● | ● | / | ● | ● | ● |
| 16:30〜19:00 | ● | ● | ● | / | ● | / |
お支払い方法
当日受付にて現金でお支払いください。クレジットカードはご利用いただけません。
重要なお知らせ
定期接種をご希望の方は、2回目の接種が年度内に完了するように早めに1回目の接種を開始されることをお勧めします。
帯状疱疹とは
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で発症する病気です。このウイルスは、子供の頃にかかった水ぼうそうの原因となるウイルスと同じもので、日本人の約90%の体内に潜伏しています。通常は問題ありませんが、加齢、疲労、ストレスなどで免疫力が低下すると、ウイルスが再活性化して帯状疱疹を発症します。
80歳までに3人に1人が帯状疱疹を経験すると報告されており、一度発症した方でも約6%の確率で再発することがあります。症状は痛みやかゆみを伴う発疹から始まり、小さな水ぶくれへと変化します。約1週間で水ぶくれが破れてかさぶたとなり、3週間程度で皮膚症状は改善しますが、色素沈着や傷跡が残ることがあります。

特に注意が必要なのは、発症部位によっては顔面神経麻痺、運動神経麻痺、聴覚障害、視力障害などの後遺症を残す可能性があることです。また、皮膚症状が治った後も長期間にわたって痛みが続く「帯状疱疹後神経痛」は、患者さんの生活の質を大きく低下させる合併症として知られています。
基礎疾患をお持ちの方へ
糖尿病やがんなど、免疫機能が低下する病気をお持ちの方は、帯状疱疹の発症リスクが高くなることが報告されています。例えば、糖尿病の方は健康な方と比べて約2.4倍、関節リウマチの方は約2.0倍、悪性リンパ腫の方は約8.4倍のリスクがあります。また、帯状疱疹にかかった後、30日以内に心筋梗塞を発症するリスクが約1.4倍、脳卒中を発症するリスクが約1.9倍に上昇するという海外のデータもあります。
これらのリスクを考慮すると、基礎疾患をお持ちの方には、特に帯状疱疹ワクチンの接種をお勧めします。
帯状疱疹ワクチンをお考えの皆様へ
シングリックスは高価なワクチンですが、帯状疱疹による後遺症のリスクを考慮すると、その価値は十分にあると考えています。帯状疱疹後神経痛による慢性的な痛み、視力低下、聴力低下、顔面神経麻痺などの後遺症は、日常生活の質を大きく損なう可能性があります。
これらの後遺症に悩まされる確率は決して高くありませんが、万が一発症した場合の影響は計り知れません。帯状疱疹ワクチンは、そのリスクを大幅に減少させる有効な予防手段です。ご自身の健康と将来の生活の質を守るため、ワクチン接種をご検討ください。




